プラグインの規格
DAWソフトの機能の一部として使用するソフトウェアの楽器やエフェクターの事を「プラグイン」と言います。
プラグインには様々な種類があり、楽器系のプラグインだけでもバイオリンやソフトシンセサイザー、ピアノ、ギターなどがあります。
エフェクター系のプラグインには、コンプレッサーやイコライザー、オーバードライブ、リバーブ、ディレイなどがあります。
ただ、これらのプラグインを使用するには、使用しているパソコンや、使用しているDAWソフトに対応している規格のプラグインを使用する必要があります。
プラグインの規格では、
という三種類があります。
パソコンがWindows OSの場合、基本的には「VST」という規格のプラグインに対応していて、Mac OS の場合には「AudioUnit」という規格のプラグインに対応しています。
ただ、使用しているDAWソフトによっては、Windows OS 用だけでプラグインの規格は「AudioUnit」と言った場合もあったりするので、プラグインを購入する際には、その点に注意して購入するプラグインの規格を判断しましょう。
フリーウェアのプラグイン
DTMで使う事が出来るプラグインは、インターネット上で無料で配布されている物が多くあります。
フリープラグインの中にも、有料のものと変わらない性能のものも多くあり、ソフトシンセやイコライザー、コンプレッサーなどもあります。
もし、これからDTMを始めて、プラグインを利用しようと考えているの出れば、有料のものを購入する前に、フリープラグインを使ってみるようにしましょう。
DTM初心者の頃は、どういった音を作るには何のプラグインを使用すればいいのか、どのプラグインでどんな処理が行えるのかが分からないと思いますので、まずは、無料のプラグインを使って、どういったプラグインがあって、どういった処理が出来るのかといった事を学習していきましょう。
DTMでの打ち込みによる楽曲制作
DTMでは、楽器が演奏出来なくても音楽制作を行えます。
DAWソフトには、MIDIシーケンサーと言うツールが付属していて、そのMIDIシーケンサーというツールで演奏情報の入力と編集を行い、その演奏情報をソフトウェア楽器のプラグインに送信すれば、そのプラグインの楽器の音色で演奏音を出力してくれます。
プラグインには、バイオリンやギター、ピアノなど色々な楽器のものがあるので、演奏情報の入力と編集方法を覚えさえすれば、どんな楽器の音でも鳴らす事が出来ます。
打ち込みに必要なMIDIの知識
MIDIシーケンサーに演奏情報を入力する事を「打ち込み」と言います。
MIDIシーケンサーの画面には、ピアノの鍵盤とマス目が表示されている箇所があり、その箇所でダブルクリックすると、音符の役割となる「ノート」(横棒の印)という印がマス目に打ち込まれます。
この「ノート」という印がある縦の位置が、ピアノの鍵盤で表している楽音を鳴らし、ノートの長さが音符の長さとなります。
ピアノの鍵盤とマス目が表示されている箇所は「ピアノロール」と言う名称で、MIDIシーケンサーでの演奏情報の打ち込みは、ほとんどピアノロールで行います。
ただ、より細かい演奏情報の調節を行うには、ピアノロール画面下にあるイベントグラフという箇所で行います。
イベントグラフでは、ピアノロールに打ち込んだ各ノートの音の強弱や、ノートの音の高さを基準とした音程の変化などを調節する事が出来ます。
イベントグラフで調節する事が出来る演奏情報には色々ありますが、基本的には、ベロシティ(Velocity)とピッチベンド(PitchBend)のみ調節を行います。
ベロシティ(Velocity)とは?
ベロシティとは、MIDIデータにおいてノートの音の強弱を調節するパラメーターの事です。
音の強弱は音量と違い、音色自体も変化するので、音を強くすれば強く叩いたり弾いたりした時の演奏音になります。
ですので、ドラムのビートなどで、ハイハットにアクセントを付けたい時には、ベロシティの値を調節します。
ピッチベンド(PitchBend)とは?
ピッチベンドとは、MIDIデータにおいて、ノートが打ち込まれている楽音の高さを基準として、その高さの音から、音の高さを上下に調節する事が出来るパラメーターの事です。
ピッチベンドの値が0の時は、ノートの打ち込まれている楽音の高さになり、ピッチベンドの値を大きくすると、その楽音の高さから、音が高くなるように変化します。
ピッチベンドは、主に、音程を滑らかに上下させる音を作りたい時に調節するパラメーターで、ギターやベースのスライド奏法といった演奏音を作る時に調節を行います。
また、シンセサイザーなどのパラメーターに、ピッチベンドに少し似た役割の「ポルタメント」や「レガート」といったパラメーターがありますが、この二つのパラメーターは、前後のノート間の音程を滑らかに繋ぐもので、ピッチベンドのようにノートの音の高さそのものを変化させるのとは異なる事に注意しましょう。
DTMで、MIDIシーケンサーを使った打ち込みによる楽曲制作を行うのであれば、これらのパラメーターを調節する知識があれば、ほぼ問題なく打ち込みによる楽曲制作が出来ます。
DTMで楽器の演奏を録音する
DTMで楽器の演奏を録音する際にも、ボーカル録音と同じようにオーディオインターフェイスを使います。
エレキギターなどの電子楽器の場合には、エレキギターとオーディオインターフェイスをシールドケーブルなどで接続します。
そして、ボーカル撮りの時と同じように、DAWソフトのトラックの入力設定で、接続しているオーディオインターフェイスを選択すれば、そのエレキギターからの音が、そのトラックに入力されるようになります。
後は、ボーカル録音の時と同じように、DAWソフトのトランスポートパネルにある録音ボタンをクリックすれば、録音が始まり、トラックのタイムラインにエレキギターの演奏音がオーディオデータとして保存されます。
アコースティックギターの録音
DTMでアコースティックギターなどの楽器の録音を行う場合にも、オーディオインターフェイスを使用しますが、アコースティックギターを録音する際には、マイクを使って音を拾うか、ピックアップを使って音を拾います。
ピックアップというのは、空気振動を電流の振動に変換する装置の事です。
ピックアップは、アコースティックギターのサウンドホール(ギターのボディーに空いている穴)に装着して使います。
そして、ピックアップから伸びているケーブルをオーディオインターフェイスに接続すれば、アコースティックギターの音が電流振動に変換されて、その電流をオーディオインターフェイスがオーディオデータに変換します。
※ ちなみに、エレキギターのボディーにもピックアップが内蔵されています。
また、マイクでアコースティックギターの音を録音する場合にも、ピックアップを付けて、ピックアップとアンプを接続して、そのアンプからの音をマイクで拾った方が、音量のバラつきが少なく、綺麗に録音できます。
ですので、もし、DTMでアコースティックギターの音を録音するのであれば、ピックアップを購入するのをお勧めします。
DTMでのボーカルの録音方法
DTMでボーカルを録音するには、オーディオインターフェイスという機材と、マイクを使用して、ボーカルの音声データをDAWソフトに取り込み保存します。
オーディオインターフェイスというのは、現実の音をデジタルデータとしてパソコン内に取り込むための機材です。
オーディオインターフェイスにマイクケーブルを挿し、接続したマイクに向かって歌を歌う事で、その音声がデジタルデータとしてパソコン内に取り込まれます。
ただ、パソコン内に取り込まれたオーディオデータは、DAWソフトのトラックに入力されるように設定する必要があります。
ですので、DAWソフト側の入力設定で、接続しているオーディオインターフェイスからの音声信号を受信できるように設定を行う必要があります。
また、DAWソフトのトラックでも、入力設定でオーディオ入力を選択して、接続しているオーディオインターフェイスからのオーディオデータを受信できるように設定を行います。
これらの設定が完了したら、DAWソフトのトランスポートパネルにある録音ボタンをクリックする事で、ボーカルの歌声をオーディオデータとしてDAWソフトのトラックに録音する事が出来るようになります。
コンデンサーマイクとダイナミックマイク
ボーカルの録音に使用するマイクには、コンデンサーマイクとダイナミックマイクの二種類があります。
コンデンサーマイクというのは、コンデンサー(蓄電器)が内蔵されているマイクで、細かい音まで集音する事が出来るマイクです。
それに対してダイナミックマイクというのは、細かい音を集音する事はできませんが、その分、頑丈で耐久性が良いマイクとなっています。
DTMでは、コンデンサーマイクを使うのが一般的で、ダイナミックマイクはライブなどで使われるのが一般的です。
ただ、ダイナミックマイクをボーカル撮りに使っても問題ないので、どちらを使用するかは自分次第だと思います。
ポップガードとショックマウント
コンデンサーマイクとダイナミックマイク、どちらのマイクを使用するにしても、ボーカルの録音を行うのであれば、ポップガードとショックマウントという機材を使用するようにしましょう。
ポップガードというのは、唇がペチャペチャなる音(ポップ音)を防ぐための機材です。
ショックマウントというのは、マイクを設置するホルダーであり、地面からの揺れなどの衝撃音を軽減するための機材です。
DAWソフトでボーカルのオーディオデータを編集してノイズ音を軽減する事は出来ますが、ボーカル録音時に含まれるノイズ音は出来るだけ軽減した状態でDAWに保存した方が作業的に楽です。
また、ノイズ音の種類によっては除去する事が出来なかったり、ボーカルの声と混ざっている大き目のノイズ音は除去する事が出来なかったりします。
ですので、ポップガードとショックマウントホルダーを使って、可能な限りボーカル撮りにおけるノイズ音を軽減した状態で、録音を行うようにしましょう。